※「MC」2023年12月10日発行(第1225号)『旅人算』リリース時の特集記事を再掲載しています。
──ついに2ndアルバム『旅人算』が完成して、どのように感じましたか?
天城「2枚目のアルバムが出せるほど、曲数が増えたことへの喜びや感謝の気持ちが大きかったです。
1stアルバムは、当時リーダーだった帆風千春ちゃんが卒業したあとだったので、みんなで気を引き締めて頑張らないと! っていう時期だったんです。
でも今回、特にリード曲『君とどれくらい会わずにいられるか?』は、なんていうか、危機感がまったくない、可愛いラブソングで(笑)。
後輩メンバーが入ったあとに出すアルバムがすごく明るい曲で始まっていて、またナナニジの歴史の変わり目が感じられる1枚だと思いました」
西條「1stは、今は卒業してしまった人たちのことも忘れたくなくて、宝物としてちゃんと残しておきたいというアルバムでした。
2ndは、これから先に進むための助走になりそうな作品です」
麻丘「私たちが加入する前のシングル(『覚醒』)が入っているなど、私たちが入る前とあとのナナニジ、両方が体験できる1枚なんです。
新曲はアニバーサリーライブで初披露したんですが、ファンの方たちが圧倒されているのが伝わってきて。
湧いてくださっているのが実感できた2曲でもあるので、積み上げてきたものプラス、新しい2曲でさらに攻撃力高めのアルバムになりました。
ナナニジの未来を感じてもらえたら、嬉しいです」
椎名「アルバム特典のライブ映像Blu-rayが、2023年のナナニジがギュッと詰まった内容になっていて。新曲を含めたアルバム収録曲と映像を含めて、約2年くらいのナナニジが追体験できるのが素敵だなと思いました」
──このアルバムの収録曲の中で、それぞれに、特に思い入れのある曲というのは?
麻丘「後輩メンバーが加入して、はじめて出したシングル曲の『曇り空の向こうは晴れている』は、歌番組にも出させてもらったり、ダンスビデオを撮ったり、一番多く練習やリハーサルをしてきた曲なんです。本当に体に染み付いているし、この曲は間違いないなっていう安心感がありますね」
椎名「私は『謎の力』を知ったときの衝撃、驚きがすごかったです。
これはアイドルにしかできない曲だなって。こんなおもしろい曲ができることに喜びを感じつつ、ファンの人たちの反応が気になっていたんですが、ライブではどんどんコールが増えていって、一番盛り上がる曲になりました。
こうやってライブの定番曲になっていくんだと、成長を見守ってきた我が子みたいな曲です」
天城「9曲目、10曲目の『僕は今夜、出て行く』『いつの間にSunrise』は卒業するメンバーを見送ってきた曲でもあるので、この順で聴いていくと、ちょっとしんみりするところでもあって。
最後は『曇り空の向こうは晴れている』で盛り返し、これからのナナニジについて行こうと思ってもらえるような流れになっています。
そこがすごく好きです」
西條「私も。『いつの間にSunrise』は後輩メンバーが入る前で、『僕は今夜、出て行く』は、逆に後輩メンバーがいて当時のメンバーがいないっていう状況でやっていました。この2曲がアルバムで並んだことによって、あのときのナナニジが今と繋がっているんだなっていうのが感じられて、すごく好きな流れになっています」
──そんなナナニジにとって、2023年ってどんな年でしたか?
天城「めちゃくちゃライブの多い年でした。
2回ツアーに出て、2回卒業公演をやって、ファンの方たちと会える機会が多かったですね。
卒業するメンバーも多かった年でもあるんですが、私たちはドームアイドルを目指しています!
と言えたことによって、メンバーの気持ちもひとつになれたなって感じています」
麻丘「サリーさんが言ってくださったことは私もすごく思っていて。
去年は、まだ先輩たちについていくことで精一杯で、本当の意味で、ちゃんとグループについて考えることがまだ、できていなかったと思うんです。
でも、今年は先輩の卒業もあり、ちゃんと、グループの一員として、気持ちを引き締めて考えることができるようになりました。
そこは、今年1年の進歩だなって実感しています。
来年はもっと、自分たちもグループを引っ張っていけたらなって」
椎名「先輩たちに教えてもらいながら、必死についていっていたのが去年で、今年はみんな一緒に、一歩を踏み出すことができるようになりました。
得意なこと、不得意なことも含めて、お互いへの信頼感、グループのメンバーとして仲が深まったと思います」
西條「ふふふ。私は逆に肩の荷が下りた年でした。
去年は、後輩メンバーの子たちもはじめてのことが多かったので、ずっと気を張っていたんです。
ちゃんとしないと、この子たちが何か余計なことを抱え込んでしまうかもしれないなって。
それが今年は、後輩メンバーだけでライブを経験したりして、本当に頼もしく育ってくれて。
特に助かったのが、バラエティ番組なんです。
卒業メンバーが増えるにつれて、必然的に苦手だったにもかかわらず、コーナーに出る機会が増えて、早く後輩たちが出てくれないかなぁって思っていたのが、本当にのびのびと過酷なコーナーにも果敢に真面目にやってくれていて。
本当にありがたいです」
──先輩、後輩として約2年間過ごしてきて、印象が変わったなっていうのは?
麻丘「私はサリーさんの印象が2回、変わりました」
天城「えっ、2回!?」
麻丘「本当にカメレオンみたいな人で、最初、すごいおふざけの人っていうのがあって。
実際、そういう部分も持ち合わせているんですけど、いざ、グループで何かをするってときには先頭に立ってくれて、本当に頼もしいんです。
と思っていたら、やっぱり、おふざけもすごくて(笑)。
本当に、サリーさんは関われば関わるほど、つかみどころがなくて面白い人です」
天城「まおすけ(麻丘真央)は美人系のクールキャラかと思っていたら、一番ヘンな擬音を使う子でした(笑)。
でもレッスンはすごく真面目だし、『22/7 計算中』の収録でも、ボケとかツッコミとかも一生懸命で、グループのためにすごく頑張ってくれています。
一方で、どんどん砕けて、はっちゃけていっています(笑)」
椎名「サリーさんと真央ちゃんが同時にふざけた感じになると、“ツッコミ不在、混ぜるな危険”ってなります。
違うベクトルでふざけるので、2人がボケるとツッコミが3人必要になりますね」
天城「桜月ちゃんは、最初はなごみん(西條和)と似た感じの、ちょっと儚さが漂う印象だったのに、スパッと切ってくるタイプでした(笑)。
でも歌声はずっと儚いんです。
映像で出てくる裏の姿を見たら、同一人物とはわからないと思います(笑)」
西條「私は桜月ちゃんが2回、印象変わりました」
椎名「えっ!?(笑)」
西條「最初のライブのリハのときは、スタッフさんから“桜月をどうにかしてくれ”って言われていたんですよ」
椎名「ダンスをやったことがなかったから、振り付けも立ち位置も覚えられず、本当になんにもできなかったんです。
リハでは毎回、怒られていました(にっこり)」
──それを笑顔で語れるなんて、メンタル強い……!
西條「めちゃくちゃメンタル強いです。
私たちのときは、みんな初心者でゆっくり覚えていったんですけど、後輩メンバーの子たちは、できすぎる子たちばかりだったので。
その中にいると余計に目立ってしまって心配していたんですが、いつの間にか、鋭いツッコミを入れるような子になってました(笑)。
体調が悪い子がいたら、サッと薬を出してくれたり、すごくしっかりした子で。
いつも本当に助けられています」